私が九星気学に興味を持ったのは中学生の頃でした。
その切っ掛けは、当時住んでた家の近所に、
県警の刑事さんがいて、よく可愛がってもらっていまして
そこの家族とは家族ぐるみのお付き合いしていました。
ある日、そこの刑事さんが私の父と酒を飲みながら
世間話していると。
「容疑者は犯罪を犯した直後に逃亡するのは必ず本命殺に向かってる・・・云々」
との会話を耳にした時です。
本命殺の方位に引っ越せば、遅くても十年前後で命が終わるという
恐ろしい方位ですが、その当時はそういう知識もなかったのですが、
それでも「ホンメイサツ」という何やら
恐ろしという感じだけはありました。
刑事さんは「犯人の目星がついて、生年月日から本命さえ分かったら
大概はその方角に逃げている・・・云々」と・・・。
子供心に「悪いことはできないな」と思ったものです。
当時は本屋さんでも九星気学の本は滅多に売ってなくて、
すぐには気学には触れられませんでしたが、
大人になってから、この手の本を見つけては読み漁っていました。
そんな時にソ連からある日本の女性が帰国してきたというニュースがあり
世間では大きな話題となってました。
その女優さんは岡田淑子さんです。
日本に帰国されてからも女優をされていて、
晩年の岡田さんはとても上品な女性となられていました。
岡田さんは戦前に杉本良吉という男性と不倫関係となり、杉本氏は日本共産主義党員であったことから、1937年12月27日に岡田淑子さんと一緒に東京上野駅から北海道に向かって、そこから樺太(当時は日本領)に渡って二人でソ連に亡命しています。
亡命年の樺太への方位は「大歳方」と言って、もしも吉方位であれば大変に良い方位であったのですが、本命殺という致命的な方位であったが為に、恋人とは離れ離れとなって挙句に銃殺刑です。
子供の頃に近所にいた奈良県警のオジサンのいう事が正しかったと、後日この事件を調べて理解できました。
この様に九星気学は上手く用いれば大発展もできますが、下手に扱うと命すら危うくしてしまいます。