先日、テレビを見ていたらアメリカのかつてのスポーツの大スターでるDJシンプソンのドキュメンタリー番組が放送されていました。(途中から見たのですが)
DJシンプソンはアメリカンフットボールの選手として数々の名誉に輝いてた名選手ですが、引退後は数々の事件を起こして、実刑は食らうし、そして最期は現役時代とは全く別人のような暮らしの中で人生を終えています。
占い師というのは、その人の人生を垣間見て最初に思うのは「この人はどういう命式の人なのか」という疑問です。
そこで、慌てて出してみたのが以下の通りです。
[五行]
木: 0
火: 2
土: 3(☜日干)
金: 0
水: 1
[本命卦] 艮
[九星 ] 八白土星
[宅神 ] 甲申
[破宅神] 庚寅
[墓神 ] 甲午
[墓石 ] 戊子
[方合 ] 亥子丑(正財)
[会局 ] 亥卯未(偏官)
[空亡 ] 午未(印)
[身強弱] 極身強
[格局 ] 従強格
[喜神 ] 偏財
[忌神 ] 比劫
[仇神 ] 偏官
[救神 ] 食傷
シンプソン氏の命式は所謂「强旺格」という、日干としては強すぎる厄介な命式になります。
その為に体力は並外れたものがあって、スポーツ選手にはもってこいの命式です・・・というか、スポーツ選手しか開花できないというのが適切な表現ですが・・・。
そもそもが超我儘な性格ですから、規律やルールのある世界に飛び込むことで頭角を現してゆき、亥未の合で偏官も出ていて、フットワークは抜群ですからアメリカンフットボールはまさに適職でした。
また倒食という通変星は日干を助けてくれるし、人気の星ですからプロスポーツ選手にとってはなくてはならない通変星の一つです。
そもそも、比劫大過や强旺格という命式は金銭運には恵まれませんが、この様に命式中の星をうまく使うことでそれが適職となって思わぬ大金を手にすることができるのも事実です。
でも、こういう人って必ずやらかすのは大いなる勘違いで「自分には金運がある」と思い込んでしまう事です。
現役時代は、類稀なる体力とフットワークの良さという才能で稼いだお金も、所詮は「仇花」と化すのがこの命式の…というか運勢的に無知であることの怖さです。
日本のプロスポーツの選手でも現役時代はあんなに年俸をもらっていた人も、引退後になってから、事業に手を出したり周囲の意図に騙されて全財産を失う人も少なくはありません。
勿論、DJシンプソン氏もフットボールを引退してある意味では三合会局の偏官とも縁がなくなったころから彼の人生は狂い始めてていて、そして命が終わるときには、莫大な借金を残したままで旅立っています。
彼の命式の構成から見えてくるものは・・・・。
[命式]
日 月 年
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己 丁 丁 :干
丑 未 亥 :支
癸 丁 戊 :蔵干
倒食 倒食 :蔵干
偏財 倒食 劫財 :通変星
墓 冠 胎 :十二運
元命となる月の下にある通変星の倒食から、周辺の通変星の関係の説明は、先日発売された「四柱推命秘傳禄(初級)」に全てのパターンを書き記してあります、今日はその一部をご紹介します。
まず、月下の倒食から年下の劫財からです。
倒食から劫財(四柱推命秘傳禄(初級)P122より抜粋)
凶星同士でありいずれも財星とは仇となりますから金運は期待できませんし、財星に関する父との縁が薄く自分が生まれてから父親の運勢が衰えています。また三角関係の組み合わせでもあるので一見して人柄もよく女性にモテる人ですが意外に薄情なところがあり妻を苦しめます(財を尅すから)。この様に異性にモテるタイプですから、異性問題に注意が必要となる。もし命中に倒食を制する偏財か劫財を制する正官があれば資質も運気も改善されて良くなりますが、それらが無ければ苦心の人となる。
※幸いにも倒食を制する偏財が日の柱の下にありますから、その点ではラッキーでしたが、偏財で制した倒食も印綬に近くなってるだけで、金運はあまり期待できません。占いでの金運とは、その人が生涯で稼いだ金額に対してどれほどの金額や資産を残したかを図るものですから、生涯に100億稼いでいても、死ぬときに数千万程度しか残っていなかったら「金運が無い人だった」と判断します。
でも、一般のサラリーマンだったら遺産で数千万残せば「金運が良い人だった」と判断します。このあたりが運勢判断の妙と知っておいてください。
次に、倒食から倒食です。
倒食から倒食(四柱推命秘傳禄(初級)P125より抜粋)
倒食は食神を倒す星でそれが二つ重なるから問題です。衣食住・寿命・給与などを意味する星を倒すのでそれらに関することで悪い現象を経験します。両親との縁が薄くなり生活費にも困ることがある。男は妻子との縁が薄く再婚することあり、女は子供をなくしたり不妊の人もある。
※月下印綬や倒食の人は実業や商売取引には不向きだが、印星の仕事(占い師・教師・師匠・研究者・宗教家等)に就けば名誉を得ることもある。
次に月支倒食から日下の偏財
倒食から偏財(四柱推命秘傳禄(初級)P124より抜粋)
吉星の偏財が凶星の倒食を制していますからこの組み合わせは吉と見ます。倒食を持ってる人には偏財は吉作用となるからです。しかし偏財も倒食を制圧したために力を消耗しますから商売や事業では大成は難しいと見
ます。金運もそうは強くはないのにもかかわらず、偏財の商売や事業に欲が捨てきれず、本業以外の事に心が動きあれこれと手を出したりしますがあまり良くありません。大欲を抱かずコツコツ頑張れば不幸になる事はありません。もし、命中に食神があれば倒食に倒されて却ってよくない。
ざっくりとした判断材料がこの通りで、これらを年月日の流年法で見ながら人生のストーリーを予測すれば、シンプソン氏の栄光と挫折も見て取ることができます。
彼が、アメリカンフットボールという適職に出会わなければ、貧しくとも平和な人生を送れたかもしれません。
激しい栄枯盛衰を経験するのとどちらが幸福だったのかは、人それぞれですが・・・。
シンプソン氏のご冥福をお祈りいたします。